CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

あおり運転、厳罰化検討へ

昨今、「あおり運転」が原因の悲惨な事故が相次いでいます。

車間距離不保持での昨年の摘発は前年の1.8倍の1万3025件に上りました。

この「あおり運転」とは、道路を走行する自動車、自動二輪、自転車に対し、
進路を譲るよう強要したり、後方から極端に車間距離をつめて異常接近する、追い回す、
理由のないパッシングや急停止をするなど、故意に特定の車両の相手を威嚇したり、
嫌がらせをしたりするなど、周囲の運転者が何らかの原因や目的で
運転中に煽ることによって、道路における交通の危険を生じさせる行為のことを指します。

2017年に神奈川県の東名高速道路で、追い越し車線に停車させられた車が
追突され起きた死傷事故をきっかけに「あおり運転」が社会問題化しました。

直近では、茨城県の常磐道で、本線上に車を停め、被害者を殴る一部始終が
ドライブレコーダーに捉えられていた「あおり運転殴打事件」も記憶に新しいかと存じます。

危険な「あおり運転」相次ぎ社会問題となっておりますが、
2020年度中に“交通事故死をゼロにする”という目標達成に向け、
警察庁を中心に、交通取り締まりの強化体制が着々と整備されています。

「あおり運転」対策のため、現行法では規定されていない
あおり運転にあたる行為がどのようなものかを示し、
道路交通法を改正する方針を固め、関係規定の罰則強化することを検討しています。

予定では、新たに定める行為の罰則は暴行罪より厳しくされるようです。

では現状、現行法では規定されていない「あおり運転」に
どのような対応をされているのでしょうか。

警察庁は、現在の道路交通法に「あおり運転」そのものに対する罰則規定がないため、
現行の法律の運用による取り締まりの強化を全国の警察に指示しているようです。

上記のように、どのような危険行為が行われたか、
被害者にどのような恐怖を与えたかに応じて、
道路交通法に限らず刑法なども適用し処罰を行っているようです。

なお、「あおり運転」について他の国の一例ですが、

イギリスでは、あおり運転などに対しては、死亡・重傷事故を起こした場合には2年以上、
事故にならずとも危険運転の行為で1年以上の免許取消というルールを採用しているようです。
つまり、死傷者の有無に関わらず危険運転罪が適用されます。
さらに、悪質な事故などの場合には、永久免許取消となった事例もあるとのこと。

また、ドイツにおいては、ほかの車に著しく攻撃的であるなどの場合、
事故の大小に関わらず処罰がなされるなど厳しいルールとなっています。

無謀な運転によりほかの人や所有物に危険を与えた場合には、
6ヶ月以上5年以下の免許取消という重い罰則を科しています。
もし、裁判所が悪質で危険と判断したケースにおいては生涯免許剥奪もあり得るとのこと。

諸外国のケースと比べると、まだまだ日本の法律は整備されておらず
同じような悲惨なニュースがあとをたたないかもしれませんね。

ちなみに、「あおり運転」「ながら運転」よりも前に、
2007年・2009年の道路交通法改正施行され、罰則が強化された「飲酒運転」。

まだまだ飲酒運転撲滅には至っていませんが、
飲酒運転事故数はかなり減少したようです。

おそらく、「あおり運転」「ながら運転」も罰則を強化し
撲滅までに至らずとも、摘発数を減少させるという狙いがあるかと思います。

自動車は身近な乗り物ですが、安全運転はドライバーの義務です。

たとえ後ろの車にあおられたり、追い越されたりしたとしても、
「自分は自分」「交通ルールを守ろう」と冷静に考えるように心がけましょう。

※参考コラム
「ながら運転」改正道交法施行令で罰則強化!~違反点数・反則金3倍、懲罰刑も~

国家資格キャリアコンサルタント
非公開: 宮森 香理Kaori_Miyamori

北海道出身。関西の大学へ進学後、新卒で入社。広島⇒神戸⇒札幌と様々な拠点にて勤務。現在は、北海道・東北エリアの薬剤師を中心に転職支援を行う。

人気記事
関連記事