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キャリアアドバイザーコラム

注目される認定資格「認知症研修認定薬剤師」

先日医療ニュースで、認知症研修認定薬剤師の更なるレベルアップと、
モチベーション維持を目的に、認知症研修認定薬剤師/日本薬学会主催の
「エキスパート研修」がスタートするという記事を見かけました。

「認知症研修認定薬剤師」という資格、皆さまご存知でしょうか?
平成27年に新設されたばかりの認定制度でまだ新しく、
ご存知ない方もいらっしゃるのではないかと思います。

どのような認定制度なのか、概要をみていきましょう。

~認知症研修認定薬剤師制度とは??~

【目的】
認知症研修認定薬剤師制度は、認知症領域において医薬品に関わる専門的立場から、
医療・介護・福祉チームの一員として薬物療法を中心に参画するための能力の適性を備え、
さらに認知症の人とその家族等に対して薬学的視点を踏まえた適切な助言、
及び対応ができる薬剤師の養成を目的とする。

【意義】
本制度の実施により認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン平成27年1月27日発表)
に明記された薬局、薬剤師に期待されるに認知症の早期発見の役割を担い、
認知症の疑いのある人に早期に気付き、かかりつけ医と連携して対応するとともに、
認知症の人の状況に応じた服薬指導等を適切に行うことを推進する。

【申請に必要な資格・要件】
①日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。
②日本薬学会の正会員であること。
③薬剤師としての実務の経験を3年以上有すること。
④日本薬学会が指定する認知症領域のe-ラーニングを20単位以上有していること。
⑤日本薬学会が認定するワークショップで6単位有していること。
⑥認知症サポーターを取得していること。
⑦認知症の人への介入事例を3例以上提出すること。
⑧別途実施細則に定める認定試験に合格していること。(合格認定証を添える)
⑨薬剤師認定制度認証機構等で認められた研修認定薬剤師を取得していること。
⑩職場長(薬剤部科長あるいは薬局長等)の同意があること。

認定試験は、学科試験と面接試験の2部構成になっており、年に1回の実施です。
2019年が第4回認定試験となり、9月に学科試験、10月に面接試験が予定されています。
これまでの認定試験合格者は、
第1回60名、第2回45名、第3回29名とまだ決して多くはありません。

経験年数や研修参加だけではなく、症例数や認定試験も必要になりますが、
他の認定制度と比較すると、提出する症例数が少ないため、
比較的取得を目指しやすい認定制度でもあると言えます。

高齢者の約4人に1人が認知症の人、又はその予備軍。
高齢化の進行に伴い、認知症の人は2025年には約700万人に達すると言われています。

そのような状況の中で、新オレンジプランにより、
薬局や薬剤師にも認知症の早期発見における役割が期待されており、
「認知症研修認定薬剤師」は今後益々注目される認定資格になるのではないでしょうか。

国家資格キャリアコンサルタント
N.SN_S

山口県出身。山・川・海に囲まれた大自然の中で育ち、大学で関西へ。卒業後、旅行会社でハネムーンの企画・営業に従事。その後、キャリアアドバイザーへ転身。

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