CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

第108回薬剤師国家試験(2023年)ストレート合格率ランキング

先日、文部科学省より「薬学部における就学状況および退学状況等の2023年度調査結果」が発表されました。その中から今回は、2023年2月に実施された第108回薬剤師国家試験のストレート合格率についてお話します。

ストレート合格率とは

毎年、厚生労働省より大学別の薬剤師国試合格率が発表されています。

ただし、これは「受験者数に対する合格者の比率」です。例えば留年者が多く、受験をしていない学生が多数いる大学があった場合などには、合格率そのものがその大学の本来の実力を示していないのではないか?といった指摘が専門家より出されていました。

こうした指摘を受けて文部科学省では、6年前の入学者を追跡し6年後の合格者数によって標準修業年限内での合格率を公表しています。これがストレート合格率です。

第108回薬剤師国試 ストレート合格率

それでは2023年2月に実施された第108回薬剤師国家試験の大学別のストレート合格率ランキングです

まずは国立・公立・私立大学を含めた全体でのランキングの上位5大学です。

第108回薬剤師国家試験 大学別ストレート合格率

1位 東北大学(国立)    100.0%
2位 静岡県立大学(公立)  95.1%
3位 徳島大学(国立)    92.7%
4位 北海道大学(国立)   90.0%
5位 千葉大学(国立)    88.1%

以上のように、上位5大学はいずれも国公立大学が占めました。1位の東北大学(6年制)は2017年の入学者20名に対し、20名全員が卒業。そして20名全員が国試も合格という結果でした。

国公立大学は定員も20~120名と少なく狭き門ではありますが、ストレート合格率はすべての大学で70%を上回り、国立大全体で82.4%、公立大全体で80.4%と、私立大全体の57.2%と比較しても非常に高くなっています。

第108回薬剤師国家試験 私立大学ストレート合格率

次に私立大学のランキングの上位5大学です。

1位 明治薬科大学(私立)  79.0%
2位 慶應義塾大学(私立)  77.7%
3位 北里大学(私立)    77.1%
4位 星薬科大学(私立)   75.8%
5位 東邦大学(私立)    75.2%

私立大学で1位の明治薬科大学は2017年の入学者324名に対し、272名が卒業、256名が国試合格で、昨年に続いての1位となりました。国公立大学を含めた全体のランキングでは12位に入っています。

第108回薬剤師国家試験 私立大学ストレート合格率

最後に国立・公立・私立大学を含めた全体でのランキング下位5大学は次のとおりです。

70位 青森大学(私立)    28.0%
71位 千葉科学大学(私立)  27.2%
72位 第一薬科大学(私立)  25.4%
73位 姫路獨協大学(私立)  20.5%
74位 日本薬科大学(私立)  18.8%

日本薬科大学は標準修業年限内の卒業率も22.7%と最も低く、2017年の入学者数が260名に対し、卒業者は59名、国試合格者は49名となりました。

なお、私立大学では60大学のうち25大学でストレート合格率が50%を下回り、12大学で半数以上の学生が6年間で卒業していないという実績となりました。

第108回薬剤師国試 ストレート合格率ランキング(全体)

まとめ

第109回薬剤師国家試験は2024年2月17、18日に実施されることがすでに厚生労働省より発表されています。

国試に向けて勉強中の方にとっても、また薬学部進学へ向けて勉強中という方にとっても、国試の合格率というのは気になるところです。

大学別の合格率は当然のことながら、ぜひストレート合格率にも注目をしてみてはいかがでしょうか。

【参考】
薬学部における修学状況等 2023年(令和5年)度調査結果(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/202309011-mxt_igaku-100000059_01.pdf

第109回薬剤師国家試験の施行(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/yakuzaishi/

【関連コラムはこちら】
国家試験への再チャレンジ、応援しています ~第104回薬剤師国家試験の合格率が発表されました~
第二新卒の薬剤師の転職│強みや弱み、転職活動における注意点、成功のポイントや転職支援会社の活用方法まで

編集部Nihon Medical Career

キャリア編集部よりキャリアに役立つ情報をお届けします。

人気記事
関連記事