CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

【笑う人には福来たる】笑顔で円滑コミュニケーション

『皆様、最近笑っていますか?』

早速の質問ですが、皆さまいかがでしょうか?
転職を考えている期間は自然と笑うことが少なくなってしまう方が多くいらっしゃるように感じます。

今回は『笑う、笑顔(微笑み)』というものが
皆さまにとって、また皆さまの周りにとってどんなステキな効果を表すのかをお伝えいたしたいと思います。

1.笑顔コミュニケーション

日常の様々な場面で人は笑います。
面白いテレビ番組を観たり本を読んだり、人と話したり・・・
様々な場面で笑うことで、周りと楽しさを共有し、相手の気持ちを和らげることで
円滑なコミュニケーションに役立っていることが多くあると思います。

比較行動学者のアイブル=アイベスフェルト氏による、人間の挨拶のもつ役割に関する調査につよると、
バリ島の原住民、パプア人、フランス人、インディオなどの
様々な言語、文化、宗教を持つ人々の挨拶を調査したところ、
握手、ハグなど独自で習慣づいた挨拶の形を持っていたものの、
全ての挨拶の形に「誰かと出会った際、お互いを見つめてから1/6秒程眉を上げ、その後に微笑む」という
「笑顔」が組み込まれていることが発見されました。

彼曰く、
「この一連の行動における『眉を上げる』という行為は、視線が相手と会った瞬間の不安や警戒を表すものだが、
その後の『微笑む』という行為が、場の緊張を解き、互いの攻撃性を弱めることに役立っている」
ということでした。

つまり、「笑顔」「笑う」という行為は相手にとって友好的な自分をアピールすることができ、
お互いを安心させるためのコミュニケーションツールなのです。

ちなみに実は様々な実験、論文で出た情報によると、
「笑う」という行為は人間だけが行うものではないようです。
ネズミがかくれんぼを楽しみ、超音波の笑い声を上げるなどという実験結果も出ており
笑いは人間に限らず様々な動物間でのコミュニケーションツールになっているようです。

2.笑顔と健康

笑いと健康に関しては現在様々な研究が行われています。
そのきっかけとなったのはアメリカのジャーナリストの報告です。
「強直性脊椎炎という難病にかかった際に小説やテレビを見て笑い続けると痛みが和らぎ寝付きが良くなり、
数ヶ月後には職場に復帰できるまでに快調した。」という報告での笑いの効能に注目が集まりました。

吉本興業の協力のもと行われた実験では、
対象となった糖尿病患者の血糖値の上昇を抑えるデータや「NK(ナチュラルキラー)」細胞と呼ばれる
ガン細胞をなどを殺す役割を果たす細胞の活動を低い人は高く、
高い人は低く適正な状態に落ち着かせたデータなどが確認されました。

笑いすぎてお腹が痛くなることからも分かる通り、
この行為は運動と同様に血行を促進し新陳代謝が活発となりますので、もちろん健康に良い効果を持っています。

笑っている人はもちろん元気に見えますが、実は細胞レベルで見ても笑っている人は元気なのかもしれませんね。

実はこの「笑い」は、自分で作り出す「作り笑い」でも健康に近づけるそうです。
表情筋を動かす事で脳が錯覚を起こし快楽を促す神経活動が活発になります。

常に笑顔を作ることで、身体と心の両面から調子を整えてくれる立派な健康法なのかもしれません。

3.笑顔が相手に与える効果

ここまで、「笑う」「笑顔」というものがどんなものであり
自身にどんな効果があるのかをお伝えしてきましたが、
ここからは相手にどんな効果があるのか、人間関係の部分に着目してお話してみたいと思います。

皆さま、日々たくさんの方と出会いお話をされると思いますが、「笑顔」を心がけているでしょうか?

初対面の方とお話をする際、
笑顔は「私はあなたに対して敵意が無い」という友好的イメージを与えることが出来ます。
反対に笑顔のない出会いとなってしまうと少なからず緊張感を持たれてしまい、
時には不必要な不安や警戒心を持たれることもあります。

第一印象で不安や警戒心を持たれるとその後のコミュニケーションに多大な影響を及ぼし
お互いの良い関係の発展に対する障害となり得ます。

第一印象に関しては有名な「メラビアンの法則」というものがあり、
「コミュニケーションで相手に与える印象には、話の内容(言語情報)よりも
表情(視覚情報)や口調(聴覚情報)の方が強く影響する。
その割合は、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報は55%である」
からわかる通り、視覚情報と聴覚情報で90%以上あり、
笑顔などの人の見た目によって与えてしまった影響は第一印象としてかなり残ってしまいます。

では、続いては初対面ではなく社内の人間に対しての笑顔についてお話致します。

例えば、あなたが仕事をしている中でわからないことがあった時に、
職場の中を見渡すと2名だけ社員が残っていたとします。

1人は
ニコニコして、普段からよく笑う先輩

1人は
ムスッとして、普段から仏頂面な先輩

あなたはどちらの先輩に質問しますか?
よほどのことがない限りニコニコした先輩に質問をしにいくのではないかと思います。

次に立場を反対にして考えていただきたいのですが、
もし、あなたの仕事中に質問をしにきた後輩が2人いたとして、
その内容があなたも即答できず調べる必要があったとします。

1人は
ニコニコして、普段からよく笑う後輩

1人は
ムスッとして、普段から仏頂面な後輩

あなたはどちらか一方を選ぶのであればどちらの後輩の質問に協力してあげたいですか?

仕事ですので、ある程度感情は抜きにして行動されることも多いと思いますが、
全く両者を同じように捉える方は少ないと思います。

このように職場の中で笑顔でいることは
上司や先輩に対しても、後輩に対しても気持ちよくコミュニケーションを取れる雰囲気を作ることが出来ます。
ただの「笑顔」が思わぬ功績に結びつくこともあるのです。

4.笑顔のコツ

ここまで、「笑顔が良い」ということについて説明をしてきましたが、
ここでは「良い笑顔」について考えてみたいと思います。

良い笑顔、とは
口角が上がっている、目が笑っていることが大切です。
細かいポイントについて印象評論家の重太みゆき氏が解説されています。

1. “月目” になっている:“月目”とは三日月の欠けている部分を下にしたような形で、いわゆる目が笑っている状態。印象的で好感度の高い笑顔になります。

2. 頰が上がっている:良い例が「アンパンマン」。頰がしっかり鼻の横に上がっています。この頰の状態が “感じのいい笑顔” に見せてくれるそうです。

3. 上の歯だけ見えている:ほぼ100%の芸能人が前歯しか見せずに笑っているそう。上品な笑顔にするためには下の歯は隠したほうが賢明です。

4. 左右均等で歪みがない:均等でないと笑顔に歪みが生じ、意地悪そうな印象を生んでしまいます。表情の歪みは噛み癖や虫歯が原因のことも多いそうですので、そこから補正するといいでしょう。

■笑顔のトレーニング法
自然な笑顔のために用いる表情筋について、
重太氏考案のトレーニング法で笑顔を “矯正” してみましょう。

ステップ1:「口」で笑う
1.(3分)唇を合わせて突き出し、勢いよく息を吐きながら唇をブルブル震わせる。できなければ次のステップへ。

2.(20回)鼻の下を両手の人差し指で押さえて、両手一緒に左右に動かす。しっかり強めがポイント。

3.(10回)人差し指と中指で左右の口角を押さえ、上下に大きく動かす。上げるときは口角を上げるように意識する。

4.(10回)親指以外の4本の指で顎を押さえ、下唇を歯茎からはがすようなイメージで上下にマッサージ。

5.(仕上げ&確認)両手で顎を持ち上げながら、再度(1)の動作を。最初はできなかった人も“ブルブル”しやすくなっているはずです。

ステップ2:「頰」で笑う
1.(頰が熱くなるまで)頰の一番高い場所を正面から親指以外の4本の指で押さえ、内&外回り、上下左右に動かす。 ※(100回)頰の筋肉が動かない人は、頰の上からパッティングする。

2.(10〜20回)鼻の前で鼻を挟むように合掌し、親指は顎の下に。目をぱっちり開け、口角を目尻につけるくらいのつもりで頰の肉を引き上げる。

3.(20回)顎の下を片手で支え、上の歯だけ見せて「イ・エ」と発声する。

ステップ3:「目」で笑う
1.(10回×5か所)親指と人差し指で眉の上下をつまみ、10回程度左右にもみつぶす。眉頭から眉尻まで1cmずつずらしながら5か所繰り返す。

2.(10秒×5回)目を閉じて、目尻の横を指で押さえて外側に伸ばす。10秒数えて指を離すと同時に思い切り目を見開く。

(引用元:『Oggi』4月号, 小学館. )

これだけ見てみるとなんだか「笑顔って難しい・・・」なんて感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、
美しい笑顔のため緊張をほぐすためにも試しに数回意識してみるのも良いかもしれません。

5.まとめ

今回は「笑顔」と「笑い」について自分自身や相手にどんな影響を与えるのかを少しお話させていただきました。

どんな人でも、笑うことは好きだと思います。
自身が笑顔になる人生というのは、自身が笑顔になっていることで訪れることもあり
キャリアに携わる人間として、皆様の笑顔をより一層輝かせるステキなお手伝いができたらと思います。

国家資格キャリアコンサルタント
吉田 智治Tomoharu_Yoshida

異国情緒溢れる長崎県出身。大学卒業後、旅行業10年を経て、キャリアアドバイザーへ転職。「人と人との出会い、つながりを大切に」をモットーに、日々奮闘中。

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