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薬剤師の転職においても、第二新卒という言葉をよく耳にするようになりました。
薬剤師の転職・キャリア支援に20年以上携わる当社のもとにも薬剤師の新卒あるいは第二新卒の方からのキャリアや転職、就活に関する相談をよくいただきます。
そこで今回は薬剤師の第二新卒とはそもそもどのような方たちを指すのかから、その強みや弱み、転職活動における注意点や転職成功のポイント、人材紹介会社の活用まで幅広くお話をしたいと思います。
薬剤師ベストキャリアでは、薬剤師の転職・キャリアに関するご相談を無料で承っています。お気軽にご相談ください!⇒【無料】転職支援サービス
すっかり一般化した「第二新卒」という言葉ですが、法的な定義などはなく、一般的には「新卒で入社してから3年以内の社会人(求職者)」のことを指すとされています。
年齢については一般的には卒業後約3年以内を指すため25歳前後(薬剤師では27歳)とされますが、最終学歴等によっても異なります。また、採用企業側でもそれ以上の年齢でも受け入れるケースも多いことから、厳格な基準はないと考えてよいでしょう。
一般のサラリーマン(非薬剤師)人材の転職市場においては、第二新卒という言葉はすでに一般化し、第二新卒人材の需要は増してきています。
一方で、薬剤師業界においては、永く売り手市場が続いていたということもあり、第二新卒の採用に注目が集まってきたのはこの数年という印象です。特に、大手よりは新卒の採用が難しく、新卒の研修・育成制度が整備されていない中小規模の薬局の第二新卒採用ニーズが高まってきています。
社会人としての基礎が備わっている
第二新卒が新卒と大きく異なるのは、新卒としての研修を経て短い期間であっても現場での勤務を経験している点です。
薬剤師としての基本的な知識や技術、患者とのコミュニケーション力、接遇マナーなどが一定程度備わっており、基本的には即戦力として期待できる点が強みです。
特に中小規模の薬局にとっては、育成の労力とコストが少なくて済むという点が魅力だと考えられています。
永く勤務ができる
当然のことながら同じく中途で採用される30代、40代の方よりも入社後永く勤務ができる点も強みの一つです。
また、採用企業側からは、若いということで向上心や柔軟性、行動力、頭の回転、記憶力と言った点でポジティブな印象を持たれることが多いです。
現時点では、実務経験や知識が十分ではなくても、教育次第でその企業で永く働いてもらえる、長期的なキャリア形成を期待できる人材と見られます。
社風になじみやすい
経験が長い薬剤師はどうしても、長年務めた企業の色に染まっていたり、長年の経験から仕事への固定観念が強くなりがちですが、第二新卒の薬剤師は社会経験が少ない分、考えの偏りも少なく、極端なプライドがないため、会社や店舗の雰囲気になじみやすいという印象を持たれています。
「またすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念
前職を3年以内という短期間で辞めている第二新卒には「また転職を繰り返してしまうのではないか」「我慢ができないのではないか」という印象がつきまとうのは事実です。
転職活動においては、前向きな転職理由や向上心を採用担当に見せていくことで、印象を変える努力が必要です。
「わがまま」「職場になじめないのではないか」という不安
転職理由の上位に「人間関係」があることから、第二新卒においてもその点を懸念し、採用担当者に「職場の雰囲気になじめるか」「従業員と良好な関係を築けるか」という不安を抱かれるケースは多いです。
人間関係を理由に転職を考える第二新卒の方は、面接などで転職理由を聞かれた際の回答には、特に注意が必要です。
結論から言うと、現状、薬剤師の転職においては第二新卒は「有利」に働くことが多いように感じます。
理由としては、前述した強みは当然のことながら、買い手市場になってもまだまだ若い薬剤師は希少である点、そして企業側の新卒採用と育成の手間・コストを省くことができるというメリットも大きいです。
一方で、採用企業側の懸念点も複数あり、「第二新卒だったらすぐ転職できる」「転職がすごく楽」というわけではありませんので、転職活動においての対策・準備はしっかり行いましょう。
「薬剤師の第二新卒は転職に有利なので転職ですぐに給与が上がるか?」というとそうとも言い切れません。
採用企業側からすると、若い=給与が抑えられるというメリットもあり、また給与を上げる理由となる経験やスキルもまだまだ身についていないという点を考えると、採用時点で前職よりも大幅に給与が上がることは考えにくいです。
どうしても転職をすべき理由がなく、「給与を上げたい」「条件を上げたい」とお考えの方は、転職時に評価されるような経験やスキル、資格を得てからの転職のほうが給与UPにつながるでしょう。
薬剤師の方からよく聞くのは「新卒のときは国試対策に集中していて、十分な企業研究や就活ができなかった」という反省の声です。
第二新卒は初めての転職であり、実質的には初めての就活になります。そのため、企業研究は当然のことながら、書類や面接の対策など、十分な計画と準備が必要です。
以下に、第二新卒が転職活動で気をつけるべきポイントをまとめてみました。
よく見かけるのが「会社を辞めること」が目的になってしまっている方です。
人間関係や労働環境の嫌な面ばかり見てしまい「とにかく今の職場を辞めたい」という思考に陥ってしまっているケースです。しかし、どのような職場にも人間関係や多少の労働環境での負担・負荷はあり、現実的には100点満点の職場というのは存在しません。
そういう意味では、後ろ向きではなく、今後の自身の成長やキャリアのイメージといった目標やビジョンがないと、また数年後に同じ理由で転職を繰り返すことになってしまいます。
また、その目的が定まっていないままたくさんの求人を見ていくと、もともとは「休日を増やしたい」という目的で転職先を探し始めたはずなのに、いつの間にか「ここは成長できそうだ」と目的がぶれてしまい、入社した後で休日は全然増えていないといったことにもなってしまいます。
面接で退職理由を聞かれた際に、前職の制度やしくみ、人間関係の悪いところばかりを話すことは、採用担当者に「何でも人のせいにする人」=他責でものを考える人という印象を与えてしまうためおすすめしません。
どんな企業・環境にも他者は存在しますし、当然のことながら他人の思考や行動はコントロールができません。変えられるのは「自分」だけです。
ネガティブな環境においても、「自分自身がどうすればよかったのか」と自責で考える、あるいは辞める理由を掘り下げて考えていくことが必要です。
第二新卒の方は、転職を複数回経験したような他の世代の方々よりも、当社にご相談をいただくときには既に「もう辞めました」とおっしゃる方が多いように感じます。
もちろん、「すぐにでもこの職場から離れたい」という気持ちはわかりますが、内定を得る前に現職を辞めてしまうと、次を早く決めなければという焦りにつながり、それこそ「転職をすること」が目的になってしまいかねません。
「退職の申し出は内定を得てから」が転職活動のセオリーです。
ほとんどの第二新卒の薬剤師にとって、転職は人生で初めての経験です。だからこそ、対策が不十分で転職活動に失敗してしまうケースも少なくありません。第二新卒が転職活動で気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。
退職理由がネガティブなものであっても、面接の場などでそれをそのまま伝えるのはNGです。
例えば、「残業が多すぎる」という理由であれば、「もっと効率よく業務をして、対人業務に時間を使いたい」であったり、「業務量が多い」という理由であれば、「もっと患者さん一人ひとりに寄り添って仕事がしたい」といったように、ネガティブな理由をポジティブに言い換えるようにしましょう。
また、ただ面接の場だけ取り繕うのではなく、この機会にもう一度退職理由と向き合い、他責ではなく、「自分がどうすればよかったか」という自責で考え直してみることも大切です。
初めての転職を成功させるためにも、また転職後に「転職の目的がぶれてしまった」とならないためにも、転職のその先、つまり自分自身がどうなりたいのかというキャリアプランについてもぜひ考えてみましょう。
具体的には「3年後、5年後、10年後、20年後にどうなっていたいか」を現時点での考えでいいので言語化してみることです。
例えば、「20年後には地域医療に貢献できるような仕事をしていたい」ということであれば、その第一歩として今回の転職ではどのような先を選べばいいのか、イメージが自ずと見えてくるはずです。
ただ、20年といった長いスパンで考えると、「ずっと成長し続けたい」「ずっとプライベートを重視してゆったり働きたい」という方は稀で、結婚や出産、介護など、ライフステージによって重視する点が変わっていくというのが自然な流れです。
そのため、成長できる環境+産休育休の実績がしっかりあるところ、といったように、ライフステージによる変化にも対応ができるような前提で勤務先を見ていくこともできるようになります。
また、キャリアプランが固まってくると、今回の転職先でなにを実現したいのか?例えば「資格を取得する」や「マネジメントの経験を積む」といった成し遂げたいことも言語化できてくるでしょう。
新卒の際にしっかりできなかった方も多い情報収集を、初めての転職は綿密に行うチャンスでもあります。
ただ、新卒のときは先生や先輩、同級生など話を聞くことができる相手がたくさんいましたが、転職活動においては現職の同僚と退職の話をすることは難しいでしょうし、相談できる相手も限られてきます。
学生時代の同級生を頼るのも手ですし、インターネットやコミュニティサイト、相談サイトのようなオンラインサービスを使うのも手です。また、企業の情報や業界の動向にも詳しい薬剤師専門の転職支援会社(人材紹介会社)もたくさんありますので、そういったところに相談するのも一つの手です。
人材紹介会社はインターネットに掲載されていないような求人情報を保有していたり、実際にその企業を訪問して社風や雰囲気についても熟知していることも多いです。
また、経験豊富なキャリアアドバイザーは数百人の転職を支援してきた薬剤師転職のプロであるため、さまざまな転職活動の成功・失敗事例の情報を持っています。
買い手市場化が進む薬剤師の転職市場では、書類選考や面接の難易度が日に日に上がっており、初めて転職活動をする方が独力でそれに対応していくことは非常に難しくなってきています。
履歴書や職務経歴書などの書き方や企業ごとのアピールの仕方、面接での立ち居振る舞いや受け答えなどを、アドバイスや添削、模擬面接などを通じてサポートしてくれます。
初めて転職をする方が直接企業の採用担当に対して、求人票に記載されていない給与や福利厚生などの条件について確認することは非常に難しく、もちろん応募前とはいえ、その対応によっては応募時の評価を下げることにも繋がりかねません。
人材紹介会社のキャリアアドバイザーにお願いすれば、聞きにくい質問なども豊富な経験や医療機関との関係に基づいて適切なタイミングで確認をしてくれます。
買い手市場の昨今、一つの求人に複数の応募があることが当たり前で、そんな中で内定時に給与交渉をすることは現実的には難しいです。ただ、キャリアアドバイザー間に入ることにより、求職者の資格やスキル、面接では伝わらなかった普段のコミュニケーションの様子、また年収の相場などから、多少の条件UPを交渉し実現するケースもあるでしょう。
キャリアアドバイザー、国家資格キャリアコンサルタントはいわば「キャリア・転職のプロ」です。特に薬剤師専門の紹介会社で経験を積んでいるアドバイザーはたくさんの求職者の転職の成功や失敗、企業側の採用の成功や失敗を見てきていますし、多くの薬剤師のキャリア・人生を見てきています。
そのため、求人の紹介だけではなく、「そもそも自分自身のキャリアの方向性が見えない」や「自分にあった職場がわからない」といった転職以前のキャリアの相談についても相談できます。
キャリアアドバイザーと二人三脚でキャリアの棚卸しを行い、方向性を決めていく中で「転職をしない」というケースもでてくることもありますが、それも含めて丁寧に対応してもらえるはずです。
いかがでしたでしょうか?薬剤師の第二新卒の転職について、その強みや弱み、注意点や成功のポイント、人材紹介会社の活用方法などをお話してきました。
初めての転職活動に不安はつきもの。お話してきた内容を踏まえながら、良き相談相手として薬剤師専門のキャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
日本メディカルキャリアは薬剤師のキャリア・転職支援歴20年以上。数百人の薬剤師のキャリア・転職をお手伝いしてきた国家資格キャリアコンサルタントが多数在籍しています。
求職者の方はご相談からご入職まですべて無料で利用できますので、ぜひお気軽にご相談ください。
異国情緒溢れる長崎県出身。大学卒業後、旅行業10年を経て、キャリアアドバイザーへ転職。「人と人との出会い、つながりを大切に」をモットーに、日々奮闘中。