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薬剤師の卒後病院研修義務化について、４つの社団法人で構成される病院協会団体である四病協は薬剤師の卒後臨床研修の義務化の方針を、早急に検討するとして本協議会で一致しました。いずれも以下4つの民間病院を中心とした病院団体で構成されています。

・一般社団法人　日本病院会
・公益社団法人　全日本病院協会
・一般社団法人　日本医療法人協会
・公益社団法人　日本精神科病院協会

協議会では、

・薬剤師の需給バランス問題
・オンライン診療恒久化に伴うオンライン服薬指導の動向
・薬学部がある地域とそうでない地域間における薬剤師偏在の解消
・新卒薬剤師がファーストキャリアで調剤薬局に就職する流れの是正

という観点から、課題解決のための手段として「薬剤師の卒後臨床研修の義務化」を実現するという方向へ舵を切る動き。特に、新卒薬剤師が薬学部を卒業してすぐ薬局へ就職してしまう流れの背景として、

・薬学部時代の奨学金返済のため
・現状の病院薬剤師に関して診療報酬上の評価が十分でない

といった意見が挙げられました。

採用市場が急激に変化？

新卒薬剤師を多く採用している調剤薬局・ドラッグストアにおいては採用市場に大きな変化が見込まれます。

これまで採用ターゲットとしていた学生層だけでなく、第二新卒や中途採用へシフトすること、企業内でのペルソナ設計を改めて見直し母集団形成や採用フローから再考する必要性も高まりそうです。

また、仮に卒後臨床研修が義務化される際には病院側としても、受け入れ体制の構築や、現行の大学教育・実務実習の内容精査など、負担が大きくなることも見込まれます。

卒後臨床研修については、現行の実務実習の検証などとセットで議論していく必要があるため、今回、四病協が薬剤師の卒後病院研修義務化を「早急に検討」で一致したとしても一つひとつの問題を解消しながら慎重に議論を進めてほしいところです。