CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

「変わらない」ために「変わらなければならない」

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』 

言わずとしれた、『種の起源』を著したチャールズ・ダーウィンの言葉です。
転職のお手伝いをしていると、まさに言葉の通りであると実感することが多いです。

一方で、人間はストレスを伴う環境の変化や自分自身の変化を嫌い、避けようとします。
そのように皆が無意識に変化を避けようとする中では、
変化ができる、または変化に積極的な人が生き残る、ということもあるのだと思います。

私自身を振り返ると、歳を重ねるごとに変化を恐れ、
他愛もない、大きな変化がない日々に幸せを感じていることが多くなってきた気がします。

  * * * *

『転職』は人生の転機と言ってもいいほどの変化を伴います。
その大きな変化の源となる転職理由については、ポジティブな理由からネガティブな理由まで様々です。
しかしながら最近は『変わりたくない』がために転職を希望する方が増えてきたように思います。

マーケットは日々変化をしています

日々変化をしているマーケットの中で、自分自身の価値やポジションを維持する=「変わらない」ためには、
「変わらざるを得ない」という矛盾が生まれます。

マーケットの変化について言えば、昨今急速に薬剤師の需要と供給のバランスが変化しています。
全国的な薬剤師不足から徐々に一部大都市部では充足傾向となり、その流れが地方にも伝播しつつあります。

需要が供給を上回っていたころには右肩上がりだった年収がいよいよ下がり始めました。
それに伴って高年収の求人の数が減り、全体としての年収相場が下がったことから、
薬局による年収の大きな格差がなくなってきました。

次いで、「年収の希望が相場から大きく乖離していない方」「会社のカラーにあった方」
「会社の求める能力を身につけた方」など、
これまであまり行われることがなかった「選考」が行われるようになったのです。

その結果、医療機関側では薬剤師の人員確保ができ、志を同じくする社員の割合も増えてきたことから、
例えば店舗展開に踏み出したり、特徴のある薬局を運営したりと、戦略も変わってきています。

採用においても、以前は給与などの条件面が前面に打ち出されていた求人がほとんどでしたが、
現在は、企業としての特徴やカラー、社風がをアピールする求人が増えてきています。

変わらないために「変わること」が求められる

一方で一勤務薬剤師にも影響が出てきています。
例えば、店舗展開により店舗異動を命じられたり、新たなスキルを身につけることを求められたりするでしょう。
そうなると現在の条件や立場を維持することが困難になるケースも出てきます。

・転居をしない、生活基盤を変えないために転職をする
・年収維持を求め自分自身の価値を上げるために転職する

都市部が中心とはいえ、以前と違い求人数自体が減った今、
仕事をしながらの求人探しは困難を極め、弊社のような転職支援会社にご依頼をいただくことも増えてきました。
また、年収相場が下がってきている中で高い年収を維持するために、
高年収が出る地方のエリアを含めた、全国で転職のお手伝いをする機会も増えてきました。

転職支援会社もどこにでも求人があり更に年収をあげる<交渉力>を求められていた以前より、
そもそもの求人の有無は当然のことながら、
社長や薬局のカラーと合うかどうかなどの<情報量>が必要となるのかもしれません。

変わらないことが目的だったとしても、
結果として変わることを選択したことで生き残ることができる。
転職活動を通してマーケットの変化を知り、情報を得て決断をする過程で
もしかするとお気持ちが変化することもあると思います。

転職支援に携わっている私たちは、「夢をかなえるため」といったきれいことだけが転職理由ではなく、
「現実」との兼ね合いだということも重々承知しております。
そんな中でもきちんと納得した転職になるよう、力を尽くしてお手伝いをいたします。
どうぞ転職をお考えになられた際はご相談ください。

国家資格キャリアコンサルタント
H.SH_S

新卒で入社した企業でブライダルプランナーを5年間経験。当社入社後は、中国、四国、九州エリアを中心に医師・薬剤師のご転職、キャリア支援に奮闘中!

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