CAREER ADVISOR COLUMN
キャリアアドバイザーコラム

給与提示のチェックポイントとは?

本日は就業条件書の確認ポイントについてご案内します。

会社に入社する前、就業条件をまとめた書類を提示されます。

書類には、給与や福利厚生など諸条件が記載されており、
その条件をもとに入職するか判断をされるかと思います。

本日は書類の≪給与の支払い方法≫と≪残業代≫について
ご確認いただきたいポイントを簡単に案内します。

月給制か?年俸制か?
まずは月給制・年俸制の違いについて簡単にご案内します。

月給制の場合、月給(諸手当含む)+賞与が年間の所得です。
月々の給与は決まっていますが、
賞与は会社・個人の業績に応じて変動するため、
正確な年間の収入が事前に確定していません。

年俸制の場合は、給与の金額を1年単位で決定し、
その金額が分割で支払われます。
勤務前から就業前から年間の給与が確定されているのが特徴です。

年俸制の際は、支給にあたっての分割方法に注意が必要です。

年俸を12分割して毎月支給するパターンでは、
月額の給与が比較的高くなる分、いわゆるボーナスはありません。
一方、年俸を13以上の分割で支給する場合は、
そのうちの12分は毎月支給、それ以外はボーナス月に支給します。

例えば、600万円の年俸の場合、
12分割では月々50万円の支給のみ、
16分割では月々37.5万円+150万円のボーナス月支給となります。
また、ボーナスは、年2~3回に分割支給されるのが一般的です。

月給制・年俸制それぞれの特徴
1.月給制の特徴
評価対象月に在籍していない場合、
賞与が満額支給されないことが多いです。

転職したばかりの場合、入社1年目は最初の賞与が少なくなるため、
想定される理論年収よりも収入が少なくなります。

会社の業績が悪化している場合、
前年度に比べ賞与が低くなることがあり、
年間の所得が確約されていないというのも特徴です。

反対に会社の業績が好調であれば、
予想外に良い金額がもらえる可能性があります。

個人の業績がすぐに賞与に反映されやすいので、
仕事のモチベーションを維持しやすいです。

2.年俸制の特徴
年初に給与総額が決まっているので、
金銭に関する長期的な契約や見通しが立てやすい
というメリットがあります。

ただし、年俸制の場合、みなし残業代として
ある一定の時間数の残業代が年俸に組み込まれていることがあります。

給与がアップした場合は良いですが、
万が一ダウンした場合には原則的に給与改定のタイミングまで
上昇が期待できないためモチベーションが維持しづらいかもしれません。

賞与や時間外手当に関するチェックポイント
1.前年度の賞与額について
月給制の場合、賞与額によって年間の収入が大きく変動します。
会社の業績によって変動はしますが、
参考までに前年の賞与支給額がどの程度だったか確認が必要です。

2.転職後すぐの賞与について
前述の通り、評価対象月に在籍していない場合に
賞与が満額支払われない場合が多いです。

法人によって、一部賞与を支給する法人もあれば、
評価月にすべて在籍していないと全く支給がない場合があるため、
事前の確認をおすすめします。

3.時間外手当は何時間分含まれているか
年俸制では、みなし残業代を年俸に含む場合がありますが、
その場合に何時間分が含まれているのか確認してください。

10時間分・30時間分など法人によって大きく異なります。

残業代の支給方法について
残業には大きく分けて2種類ありますので簡単にご案内致します。
それぞれで計算方法が違います。

1.法定内残業
1日の労働時間が8時間以内の残業です。
例えば1日6時間労働の方が1時間残業をした場合、
残業にはなりますが法定時間内の勤務のため
7時間分の給料が通常通り支払われます。

2.法定外残業
1日8時間を超える分の残業です。
8時間を超える残業の場合、割増賃金が支払われます。

・1日8時間、週40時間を超える残業の場合…1.25倍以上
・午後10時~朝5時までの深夜残業の場合…1.5倍以上
・法定外休日に出勤した場合…1.35倍以上

これを下回ると労働基準法違反になります。

残業についてのチェックポイント
1.残業代が何分刻みで支給されているか
残業代の算出方法は、1分単位・15分単位・30分単位など
法人によって異なります。
例えば、30分を超えたところから15分毎に残業代を支給など、
計算方法が様々なため入職前に確認すると良いでしょう。

2.月平均の残業時間について
月平均の残業時間が15時間程度と聞いていたにもかかわらず、
実際に入社すると月平均残業時間が
50時間程度だったということもあります。

法人全体での残業時間がパート勤務者を含む
平均時間で算出されている場合があるため注意が必要です。

現在ご勤務されている方が、
何時頃に帰宅しているか確認してみても良いかもしれません。

いかがでしたでしょうか。

入社前に就業条件をしっかり確認した上で、
契約書にご署名頂くことをおすすめします。

直接伺いづらいことやご不明な点などがあった場合は、
弊社キャリアアドバイザー/キャリアコンサルタントにお気軽にご相談くださいませ。

※参考コラム
「年俸制」と「月給制」どっちがおトク?
有給休暇について事前に確認すべきこと
「週休2日」の落とし穴!?

国家資格キャリアコンサルタント
非公開: 宮森 香理Kaori_Miyamori

北海道出身。関西の大学へ進学後、新卒で入社。広島⇒神戸⇒札幌と様々な拠点にて勤務。現在は、北海道・東北エリアの薬剤師を中心に転職支援を行う。

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