薬局が加算や薬価差益が十分取れなくなると、どうなるのでしょうか?
近年、国の方針の影響もあり、
調剤薬局は外来対応だけではなく在宅調剤の対応をしていかなければ、
加算が取りにくく診療報酬が取れなくなってきています。
さらには、薬価の改定も年々厳しくなっており、
なかなか利益をあげにくい状況が続いています。
加算や薬価差益が十分取れなくなると、薬局はどうなってしまうのでしょうか?
答えは・・・
薬局の経営はもちろんですが、薬剤師の皆さんの給与にも影響していきます。
当たり前の話ですが、十分な売上・利益があげられなければ、
勤務されている皆さんに十分な給与を支払うことができなくなってしまいます。
私も最近医療機関の方と日々お話をする中で、
「薬剤師の給与相場が年々下がってきている」そんな風に感じています。
地域差も大きですが、例えば、3年前は上限で600万円の提示ができていたけれど、
今は550万円の提示ができるかどうか、というのが現状なのです。
経営のため、従業員ひいてはそのご家族を路頭に迷わせないためにも、
会社は国の方針に従いながら、
在宅・後発品・地域支援などの様々な加算をとるべく頭を悩ませています。
このような情勢の中で薬剤師のみなさんが
自分の給与を維持・アップさせるにはどうすればよいのでしょうか?
1. かかりつけ薬剤師の要件を満たす
診療報酬の加算要件として「かかりつけ薬剤師」が設けられていますが、
そのハードルが引き上げられています。
(1)薬局勤務経験が3年以上
(※病院での薬剤師勤務経験が1年以上ある場合は1年を上限として含められる)
(2)その薬局に週32時間以上勤務
(3)その薬局に1年以上在籍(※直近の連続した在籍期間)
(4)薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定の取得
(5)医療に係る地域活動の取り組みへの参画
(1)~(5)まですべてを満たすことは難しいかもしれませんが、
薬剤師としての現場経験を積み、長く在籍すること、
また勉強会にも積極的に出席・参加していくことで
会社にとって「なくてはならない存在」になることです。
転職の際は認定薬剤師の資格の有無によって、年収や受け入れ状況も変わってきます。
そして、長く働いてくれる存在かどうか、という点も大事なポイントです。
1年や2年で転職をしていると第一印象はあまりよくありませんよね。
2. 健康サポート薬局の基準薬局になれるようサポートする
健康サポート薬局の基準はいくつかありますがその中で、
・ 服薬情報の一元的かつ継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導
・ 24 時間対応
・ 在宅対応
・ かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携
・ 地域における連携体制の構築
このあたりが薬剤師の皆様に求められる点かと思います。
在宅の対応はもちろんですが、医師をはじめとするケアマネや看護師など他職種との連携、
地域住民の方とコミュニケーションを積極的にとっていくこと、など。
今までは対物(薬)業務だったものが、
今後は対人業務に変わっていかなくてはなりません。
2025年までにすべての保険薬局にかかりつけ機能を持たせるという方針が示されています。
今後は、薬局に勤務する薬剤師は、
かかりつけ薬剤師であることが“普通”になっていくと予想されます。
最終的にはご自身の自分の給与にも関わってくることです。
「今まで通り」はこれから難しい、ということをご理解いただき、
研修に参加してみたり地域活動に参加したりと、
地域にとって、薬局にとってオンリーワンの存在になることが
給与をあげる一番の近道だと感じています。
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